山人ノウハウ集

秘境冒険コミュニティ Yamoding Village メンバーエリア

あらく小屋

その場で材料を調達してつくる! 焼畑で使った山のベースキャンプ

ヘッダーブロック

「あらく」とは焼畑の畑を指す奈良田弁です。
深い谷あいにある奈良田集落は日照確保と、平地が少ない事から、山の上の方に畑をつくっていました。畑のスペース確と肥料用に山林を燃やしていた事から「焼畑」と呼ばれます。
場所によっては奈良田から片道半日位かかる所も。
そんな訳で、このあらく小屋を焼畑の近くにつくり、長期間泊まりこんで作業をしていました。

現在、奈良田民俗資料館にレプリカが展示されています。
小屋自体、斜面につくるのですが、まずは斜面が崩れないよう丸太で土留めをします。
次に丸太で骨組みを組んで、外壁・屋根を木の皮をむいたものでつくります。
最後に木の皮を固定するために、丸太・重石ではさみこんで完成です。
内部を覗くと、一角に囲炉裏をつくり、後はござを敷いたのみの簡素なつくりです。
固定用の荒縄と床に敷くござだけ持っていけば、木・石は現地調達でまかなえる、自然を最大限活用した、奈良田独自の小屋づくりです。

あらく小屋はブッシュクラフトの原点とも言える

ボディーブロック

近年、「ブッシュクラフト」と呼ばれるサバイバル技術が流行りつつあります。
このブッシュクラフトは、持っていく物を最小限にして、自然から得られるものを最大限活用しながらキャンプや登山などをサバイバル的に楽しむものです。
つまりは、あらく小屋づくりや、奈良田の山人文化全般とほとんど同じ理念でつくられた遊びです。
ただし、ブッシュクラフトが主に「どうキャンプサイトをつくるか」の遊びなのに対して、奈良田の山人文化は衣食住その他諸々の自給自足なのが違う所です。

ボディーブロック

焼畑がなくなってしまった現代、あらく小屋の技術は既に昔のものとなってしまいました。
ただ、その理念は形・用途を変えれば、現代でも十分通じるものだと思っています。
ブッシュクラフトのように、野営を楽しんでも良いし、もっとしっかりした「秘密基地」のようなものをつくっても楽しそう。
その中で、あらく小屋の作り方を参考にした「奈良田流秘密基地」を考案すれば、それは最早、文化の復活・伝承とも言えるでしょう。想像次第で、活用の仕方は無数にありそうです。
▲秘密基地と言えばツリーハウス。あらく小屋風ツリーハウスつくってみたい!